肆章-守護神

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「さて、まずは自己紹介をさせてもらおう。 私は守護神翠里亜国本部本部長『榊田 雄助』(さかきだ ゆうすけ)だ。 お前の名は?」 榊田はテーブルの上のペン立てから1本ペンを取り紙に何か書き始めた。 「清雨 零司」 「年齢と出身地は?」 「年は15。出身地は…」 …困った。 異世界から来ましたなんて言ったら厨ニ病と思われるか、下手したら精神異常者扱いされて精神病院連れていかれるかも… なんて言ったらいいんだよ。 そんなことを考えていると、榊田が顔を上げ、俺を軽く睨んできた。 「何だ?言えない理由でもあるのか?」 「いや、そういう訳じゃ…」 「じゃあ早くしろ」 こうなったら仕方がない、あの手でいくしかないな。 「俺の出身地は…」 一旦榊田の方を見て一呼吸おく。 そして俺はあの言葉を口にした。 「遠い所だ」
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