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始まりはいつだっただろうか。
科学が発展し、人は栄えた。世界が軋みを上げる中、人は自分達のためだけに科学を進めた。世界が崩壊しようとも自分達だけが存在していれば良い、そんな考えの人間が数多くいた。
そして、世界は壊れた。栄華を極めた科学は消え、狼狽えた人々は今更ながらに世界のことを考えだした。手遅れにも関わらず。
科学が消えた壊れた世界で、人は罪の擦り付け合いをした。残された科学を使い、戦争を始めたのだ。
大地は抉られ荒廃し、水は汚染され、植物は踏みにじられ、動物は死んでいくのみの悲しい世界。だが、空だけは蒼だった。それだけが壊れた世界で変わらぬところだった。
月日が経ち、漸く人が戦争を辞めた時、人はヒトでは無かった。
世界のある一点で発生したソレは人に乗り移り、異能の力を与えた。
魔法、という魔の力を操る方法を編み出し、ヒトは戦争を辞めた。
魔力に汚染された生き残りの動植物達が意思を持ち、急速に独自の進化を遂げ、ヒトに襲い掛かり始めたのだ。
そうなれば、ヒトは戦争どころでは無くなり、生き残った人々は互いに手を取り合い、魔の力に侵された動植物『魔物』と闘う決意をした。
ヒトを襲う魔物は全て『悪』であり、憎むべき存在として無慈悲に狩り始めた。
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