サンタの秘密

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 全裸を引き合いに出されている以上、これ以上変な条件が追加されてはたまらない。  焦りにも似た感情を内心抱きながら、ミントは顔には一切出さない。それでいて実に事務的に話を進める。 「我々は早速出発しようと思うのですが?」 「もう行くのか? 名残惜しいがこれは少しばかりのきもちじゃ」  渡された封筒を仰々しくミントは受け取り、最敬礼。 「恐縮であります。ではこれにて!」  エセ軍人言葉のまま、行進を始めミントは退場しようとする。が、  納得のいってない俺は変人に向き直ると、足元がふらついた。後ろから引っ張られている。手錠で連行される形で退場するが、俺は変人が見えなくなるまで恨み節を叫んでいた。  姿が見えなくなる直前、変人が首をかっきる仕草で親指を下に向けるのを俺は見た。 「殺れ」  と声を聞いた直後、後頭部に鈍い衝撃を受け…… クロードは意識を失った。
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