女ゴコロと秋の鯔

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女ゴコロと秋の鯔

ロマニスト系の父さんと アスリート系の母さんの あいだから生まれて 4ヶ月で立ち歩きした僕が 13才の頃だったかな 学年で1番勉強が出来て 学年で1番走るのが速かったから 学年で1番バレンタインデーの チョコレートを貰った。 21人の女子から告られた。 だけど恋の意味をまだ 勉強してなかったから みんなみんな断った。 みんな今の僕が好きなのに。 15歳の頃だったかな 友達から やっと 恋の意味を教わった僕は 夏には好きな人が出来て 秋には僕から告った。 答えはNO。 「今は受験勉強が大事だから お付き合いは出来ません」 僕は今のキミが好きなのに。 冬が溶けて春が生まれて 僕がコけて君はウかって 季節を連れて足早に去ったね。 17歳の頃だったかな 僕は野球部で甲子園に行って 1試合で4盗塁したから 学年で1番モテた。 夏の大会では30人、 秋の国体では50人から告られた。 答えはNO。 「3年の夏が終わるまで恋愛は   しないと決めてるんだ」 みんな今の僕が好きなのに。 3年の夏、予選の都大会で負けて 甲子園へ行けなかった僕は 誰にも告られなかった。 1年前の僕が好きだった 酷な女の子たちはみんな 時のヒーローに駆け寄った。 19歳の頃だったかな 焦りだした僕は駆け足で告った。 知り合うコに片っ端から。 答えはNO。 「今はまだ早すぎるわ」 何回会えば告ってもいいのかな。 今が1番ドキドキしてるのに。 21歳の頃だったかな 外資系の一流企業の内定を貰い 物凄いスピードで取り消された。 僕の周りの女子学生は 僕よりも右往左往していた。 僕は就職浪人をして ストリート系の人になって 一生懸命、国際法の勉強をした。 25歳の頃だったかな ペンシルべニアの ロースクールで知り合った ぐぁーるに7回程会って告った。 答えはNO。 「Not today. 今の貴方は大好き だけど先が見えないからSORRY.」 勧められた品物を買わないと 決めた時ぽっく即断を貰った。 女は25歳を過ぎた男の 「今」とは交際しないらしい。 33歳になった僕は 高校の同窓会に参加した。 無職の僕が国際弁護士になれて 初めて参加してみた。 未婚やバツイチの女性達が 挙って告白してきた。 女は33歳を過ぎた男の 「過去」とは交際しないらしい。 だけど 答えはNO。 だってキミたちのおかげで 僕の恋愛脳は とうに死んでいたから。 答えは脳。 旬の中枢は足が早いみたいだ。image=373845466.jpg
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