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白い機体が空色に染まってくのを僕は嘲笑って見送っていた
近い昔、千葉の三里塚(現・成田空港)の竹藪の中に迷える仔ウサギがいました。
泥水で汚れ寒くて寂しくて震えてます。
そこへ近くの池の畔に住む 美づちゃんがやって来て可哀そうに思い連れ出してあげました。
美づちゃんと仔ウサギは帰る途中で銀色のウサギに会いました。
「その娘は池に棲む幽霊だからついてっちゃダメだ、池に引きずり込まれるぞ!」
直後に美づの体は、すーっと消えました。
助けて貰った仔ウサギと銀色のウサギは霊が棲む小池の向うの大沼を目指し西へ急ぎました。
仔ウサギは渇いた喉を潤し汚れた体を綺麗に洗いたかったのです。
その遠い道のりの途中の七栄には純白で綺麗な仔ウサギ達がいます。
外見ばかりを気にする汚れた仔ウサギは恥ずかしくて堪りません。
頭のいい銀色のウサギは傍に咲く臭木の白い花で染めてあげる事にしました。
だけど仔ウサギの汚れは酷くて白く染まりません。
仕方なく臭木の青い実で染めてみると仔ウサギは綺麗なスカイブルーに変身しました。
輝いた空色の仔ウサギは優越感たっぷりで疲れも恩も忘れ銀色のウサギと別れ、耳を立て心を浮かせ大衆の横を走り出しました。
華やかなスカイブルー故に注目を集め、黒いウサギから長い耳にタコが出来る程言い寄られたりしましたが無視しました。
すると疲れた仔ウサギの前に白髭の老師が現れて言いました。
「この先の印旛沼まで二日もかかるぞ。ずっと手前の麻黄の畑の真ん中には井戸が二つあるんじゃ。その大きなほうの井戸の水を飲むがいい。間違っても小さな井戸の水は飲むでないぞ」
程なく畑の真ん中に着いた仔ウサギは、どちらの井戸が大きいのか見分けがつかず迷いました。
仔ウサギは両方の井戸を覗き込んで祈りました。
「どっちなの…教えて下さい」
そこへ、高そうな金色の首輪を付けた犬のシロを連れたケン太君が来て言いました。
「逆さまに祈ったってダメだよ、お日様に祈らなきゃ。神様は空の上にいるんだから」
続けてシロが言いました。
「両方すくって、色の白いほうが飲めないお水だよ」
仔ウサギが最初にすくって見たのは白いお水でしたが渇望に負けてそれを飲みました。
白いお薬と分かって飲んだ仔ウサギは隠れてた鬼に捕まり檻に入れられました。
麻の下の鬼は魔が差したモノ達を檻に入れるのが仕事なのです。
銀ウサギのマナブ君と黒ウサギのマサシ君も次々と入り、やがて三位一体となった父子と精霊も収監されました。
碧いうさぎは驚きました。そこに居たのは何と…
{ケン太 老師 美づ}だったのです。
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