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「ふう……」 甲板の手すりに寄りかかり、ノアは息を吐く。 もうかれこれ1週間船に揺られていた。 大陸どころか島すら見当たらない。ただただ水平線が見えるだけだ。 広い海に自分たちだけがいて、この広い海が自分たちのものになったかのように思える。 ディオ海賊団も不思議だった。 海賊だというのに皆気さくで、ノアのことをいろいろ気に掛けてくれる。 部外者のノアなのに特に行動を制限されることもない。 ノアはすでにほとんど警戒を解いている。 (男なんてあたしを縛り付けるだけだと思ってたのに……) また、船員たちは自分の仕事を最低限してしまえばあとは遊んだり寝たりと自由に時間を過ごしている。 「………いいな」 ノアが憧れて止まなかった“自由”がここにはあった。 「お、ノアじゃん。おーい!」 上からの声に、ノアは顔を上げる。 「ライ?」 同い年のライとノアは他の船員よりは仲良くなっていた。 「こっち上がって来ねぇ?………あ、女の子には無理かな……」 「いや、大丈夫」 するするとノアははしごを登り、見張り台にたどり着く。 「……へえ、お前って意外と腕の力とかあるんだな」 「……剣、使えるから」 「剣!?お前が!?」
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