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医務室に連れて行かれたノアは、所在なさげにドクターの動きを目で追っていた。
どうして医務室に連れて来られたのか分からないし、ドクターは何やら作業をしている。
「ドクター、持って来たぞー」
ルイスが医務室に現れ、マグカップを2つ置く。中には湯気の立つ黄緑色の液体が入っていた。
ルイスはノアに未練いっぱいの目をちらりと向けて、そそくさと出て行った。
「冷めたら飲んで。グリーンティーは殺菌作用があるからね」
まだドクターは作業をしている。
湯気が減った頃に、やっとノアは一口飲んだ。
「にがっ」
ノアは慌てて机にマグカップを戻す。
「ダメだよ。ちゃんと飲まなきゃ」
やっと作業を終えたドクターがノアの向かいに座る。
もう1つのマグカップを取り、実においしそうに飲んでいる。
ノアは意を決して一気に飲み干した。口に苦いものが広がる。
「……以前、食事に針でも仕込まれてた?」
「!?……わわっ」
突然の質問にノアは驚き、危うくコップを落としそうになった。
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