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「な、なんで……」
「まだ治りきってない傷が残ってるよ。口の中の傷はわかりにくいけどね。まだ完全には治ってないから食べ物を食べると痛むだろう?」
ずばり言い当てられて、ノアは押し黙った。
「口の中に薬を塗るわけにはいかないからね。自然に治るのを待つしかない。傷を出来るだけ消毒するためにグリーンティーは毎日飲んでもらうよ」
「え……やだ……」
苦い味を思い出し、ノアは顔をしかめる。
「文句言わない。あと、これ」
ことん、とドクターは茶色の小瓶を置いた。
「栄養ドリンクみたいなものだよ。治るまで食事は辛いだろうからね。かと言って何も栄養をとらないと傷の治りが遅くなる。だから、傷が治るまではこれで我慢して」
「あ、ありがとう……」
ノアが言うと、ドクターはにっこり笑ってどういたしまして、と言った。
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