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「なにもそんな言い方を・・・」
ヒロの憮然とした態度に、ユノが少々焦り気味の様子。
随分時間は経過したものの、ヒロは未だ僕以外の家族には無愛想で(いや、僕にも無愛想なんでしょうがなれてますからね)時折対応に困られる。
「大丈夫ですよ、ユノ。ヒロの悪態には慣れてますから」
「あ、悪態って!」
「ん?違いますか?ヒロ」
ヒロはあからさまに怒りを露にしてまた僕らから去っていく。
まったく・・・
心配しすぎですよ。
僕の全てはあなたと共にあると約束したじゃないですか?
あの時から、僕の心は変わっていないというのに・・・。
それともヒロが不安になるほど僕は、愛情表現に希薄でしょうか。
僕は、立ち去ったヒロを確認してユノに向き直る。
「それはそうとユノ、頼んでいた件どうでしたか?」
「え?あぁ。この前のな?時間が経ってたから文献が曖昧だったけど、なんとか調べは付いたよ。親父も最初から教えておいてくれれば苦労しなくて済んだんだけどな」
「それで、どこに・・・」
「それがな、以外に近いんだよ」
僕は戸籍係と顔の利くユノに、1つ頼みごとをしていた。
それが、これから解決しなくてはいけない僕の『問題』への第一歩になる。
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