はじまり

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(って! もしかして俺、そんな人にひざ枕してもらってた……!?) その事実に気づいて、一気に照れ臭くなる。 この人のひざに……や、感触も何も全然覚えてないんだけどさ…… 「自己紹介、してもいい?」 「は、はいっ!」 考えを放り出し、彼女に向き直って正座する。 どうやら俺は初対面の方に、ひざ枕なんて恐れ多い事をしてもらっていたらしい。 恥ずかしい。 どんだけ図々しいんだ、俺。 「私、鈴川かなで」 うわ……っ すげぇ、イメージにピッタリの名前。 「藤井洋介くん」 「は、はいっ!」 ……あれ? 初対面のはずなのに、俺の名前…… そして彼女は、天使の笑みでこう言った。 「あなたは死にました。 私は、あなたを迎えに来た死神です」 「……………………へ?」 藤井洋介、14歳。 突然死亡宣言を受けました。  
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