67人が本棚に入れています
本棚に追加
社長室のソファーに尚徳と坂倉奈都子が対峙している
「どういうつもりだ?」
尚徳が訊いた
暫しの沈黙の後
奈都子が媚びるような甘えた声で言う
「ごめんなさい
ちょっと、遊んであげようと思っただけよ
未遂で終わったんだし、
許して…?」
首を傾げ 自分の魅力を最大限 誇示するよいな仕草で尚徳を見詰める
今までの尚徳なら 此処で仕方ないな とため息を漏らし許していた筈だ
だが、今日の尚徳は違った
睨み付けるのではなく
只、冷たく見詰めているだけだった
奈都子は胸の中にざわざわとしたものを感じて落ち着かなくなり尚徳の横へ移動してしなだれかかり膝の上に手を置こうとした時
スッと尚徳が立ち上がり
窓際まで静かに歩いて行ってしまった
肩透かしを食らった奈都子はカクンとバランスを崩し両手をソファーに着き
唖然と尚徳を見る
尚徳はどんな事を仕出かしても最後には許してくれる
奈都子は甘く考えていた
最初のコメントを投稿しよう!