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かつて、奈都子は尚徳の女だった
芸能事務所の社長になった尚徳から女優にならないかと誘われ軽いノリで始めた
その美しい容姿と物怖じしない振る舞いで人気女優となった
ちやほやされ図に乗った
奈都子の言動は日に日に
目に余るほどになった
が しかしスタッフからどんな報告されても
尚徳が奈都子に苦言を呈することはなかった
(身体の繋がりが有る女に対し尚徳は兎に角甘い。
それを身を持って知ったスタッフ達は尚徳に以後、絶対に所属タレントに手を出すなと有無を言わさず誓わされるはめになったのだ)
階段を踏み外し転げ落ちるように
人気の陰りを知るよりも早く仕事がなくなっていった
ここ数年は全く女優の仕事をしていない
焦りがあったのだろう
不安もあっただろう
それらに脅かされ眠れない夜に
幾日も苦しんだ
うさを晴らすように新人を苛めた
そして、手を出した
男を襲うなど世も末だと思った
だが その快感に溺れた
何をしても許してくれる尚徳に甘えていた
今回もきっと許してくれると思っていたのに…
取り返しがつかない
後悔に震えが止まらない
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