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今所属するこの事務所に憐詞がスカウトされた
回りの皆に背中を押され
決心した憐詞と
私(蓮池莉奈)も一緒に事務所を訪ねた
この時の私は興味本意でしかなかったのだ
本当にそれだけだったのだ───
説明を受け契約書にサインをする段になった時
あろう事か憐詞は私をマネージャーにするように願い出た
いやいやいや、私 聞いてませんよ~
寝耳に水とは正にこの事だと感心して……いる場合じゃない!───
憐詞の腕を掴み顔を覗き込むように見ると…
にっこり 微笑まれた
……駄目だ……
憐詞は もう勝手に決めている────
こんな時の憐詞は 私の意見など聞き入れてはくれない
「はぁ~」
盛大にため息をついてやった
ふと気付くと
事務所側の面々が一様に訝しげに
私を見ている
「…………」
分かってます
ええ ちゃんと分かってますって。
そりゃあ ねぇ、海の者とも山の者ともわからない
若造の戯れ言なんざ受け入れられないことは
承知してますから。と、
己の心の中での呟きにうんうんと頷いていると
「2人は恋人関係?」
と 問われた
2人同時に
「違います!」
と 叫ぶように言った
彼らはキョトンとして私達2人の顔を交互に見た
そう思うのも無理はない
契約の話し合いの場に女を連れてきて
その女をマネージャーにしろ。
とまで言ったのだから恋人だと思われてもし仕方がない
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