2・ 莉奈

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今所属するこの事務所に憐詞がスカウトされた 回りの皆に背中を押され 決心した憐詞と 私(蓮池莉奈)も一緒に事務所を訪ねた この時の私は興味本意でしかなかったのだ 本当にそれだけだったのだ─── 説明を受け契約書にサインをする段になった時 あろう事か憐詞は私をマネージャーにするように願い出た いやいやいや、私 聞いてませんよ~ 寝耳に水とは正にこの事だと感心して……いる場合じゃない!─── 憐詞の腕を掴み顔を覗き込むように見ると… にっこり 微笑まれた  ……駄目だ…… 憐詞は もう勝手に決めている──── こんな時の憐詞は 私の意見など聞き入れてはくれない 「はぁ~」 盛大にため息をついてやった ふと気付くと 事務所側の面々が一様に訝しげに 私を見ている 「…………」 分かってます ええ ちゃんと分かってますって。 そりゃあ ねぇ、海の者とも山の者ともわからない 若造の戯れ言なんざ受け入れられないことは 承知してますから。と、 己の心の中での呟きにうんうんと頷いていると 「2人は恋人関係?」 と 問われた 2人同時に 「違います!」 と 叫ぶように言った 彼らはキョトンとして私達2人の顔を交互に見た そう思うのも無理はない 契約の話し合いの場に女を連れてきて その女をマネージャーにしろ。 とまで言ったのだから恋人だと思われてもし仕方がない
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