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「ていうか何で此処にいるんだよ。」
「姉が家に帰ってきちゃ悪い訳?」
重力に反して身体を起こし、壁に凭れかかると伸びきった黒髪を指に絡め無造作に頭を掻いた。
朱美はというと脳味噌をつめる場所を間違えましたとばかりに張った胸をツンと突き出し、強気に僕に言い返しているが
「どうせまた文哉さんと喧嘩でもしたんだろ…。」
旦那の名前をだしてやればわかりやすい反応を見せ、その場でぎくりと固まった。
「…またかよ。」
「だ、だって…文哉が悪いのよ!私は何も」
「キャバクラくらい許してやれって。」
「あんた何で知ってるのよ…!」
呆れたようにそう指南するも、それは朱美の神経を逆撫でしてしまったようで。
次いだ問いには勘、と短く返せば顔を真っ赤にした彼女が此方を睨んでいた。
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