僕の為の生誕祭

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”じゃあ私が祝ってあげよっか” 小腹が減って、パソコンの隣においてあった携帯食を手に取る。 チーズ味のそれを頬張りながら読み上げたmilkの言葉に 僕は思わずむせた。 ”おめでとうならさっき聞いたよ” キーボードの上に指を滑らせ僕の分身が冷静を装って噴出しを出すも、本体はというとぱさぱさした固形物に水分を奪われ慌てて手近にあったコーラを喉に流し込んだ所だった。 …しかし、一体何時間前のものなのか。 すっかり炭酸が抜けきった温いそれは喉を潤す訳でもなく剥き出しになった人口甘味料が余計に喉を攻撃する。 その甘さを口に含みながら、せめてしっかり蓋を閉めておけばよかったと僕は心から後悔をした。 ”いや、そうじゃなくってさぁ。確かbigも関東だよね?良かったらご飯でも食べないかなーなんて” これはもしや、もしかしなくても。 ”オフ会…ってこと?” いやいやいや、どう考えてもこれは ”二人で会うんだし、デートじゃない?” 挙動不審に問いかけた僕に対し、milkの返答はさらっと返ってきた。 心底これが画面越しであった事に安堵する。 何故なら、この時の僕は酷く間抜けな顔をしていたと思うから。
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