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私は顔を上げ、目を見たら恥ずかしくなって、視線を外して答えた。
「ど……、どっちも」
頭に乗っかっている手が、ピタッと止まる。
目の前の篠田くん自身の表情も止まっている。
すると、額に額をゴツッとぶつけられ、
「……やべー……」
聞かせるためなのか、ひとりごとなのか、呟いた。
「っ……ん」
唇と唇が触れて、抱き締められる。
「あまい……」
チョコの味がする。
「なぁ」
「え?」
「もっとしていい?」
答えなんか、知ってるくせに。
言わせたいだけでしょ。
「どうぞ……」
今日は、甘い甘い、初めてのバレンタイン。
END
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