1st*ふたりぼっちの屋上で。

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「弁当用のさぁ、冷凍食品とか売ってんじゃん」 ぶつくさ文句を言いながら、篠田くんは玉子焼きに箸を入れ、 「いただきます」 いつものようにきちんと食事の挨拶をした。 「でも、それって何だか手作りって言うにはズルいと思って……」 「さすが眼鏡。真面目ー」 「め、眼鏡!?眼鏡は関係ありません!」 ……結局、結果はいつもと同じ。 今回はいつも以上に頑張ったのに……。 やっぱり勝てない。 落ち込む私に、彼は言った。 ――『俺の勝ちだな。明日弁当作ってこい』 そして、今に至るわけなんだけど……。
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