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「つーか、そんなんでお前今までよくやってこれたよな」
呆れた顔で篠田くんが玉子焼きを口に運ぶ。
「昔は……家にお世話してくれる使用人の人……、えーとメイドさん?いたから……」
「メイド?前に家に行ったときはいなかったじゃん」
「んーと……、その人が不祥事っていうか……、家のお金盗んだことがあって、クビにしちゃったの。それからお父様が使用人を雇うの嫌がっちゃって……」
それ以来、今は家に帰っても私一人。
昔なら、メイドのお姉さんが迎えてくれたけど……。
「だから今いるのは、お父様についてる秘書だけで……」
「ふーん。変な家庭」
あっさり言われた言葉がグサッと刺さる。
どうせ……。世間知らずだし、料理だって洗濯だって何も出来ないもん。
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