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「おやおや、その子金持ちそうな奴ともめてた女の子だね?」
「?!」
くいっと顎を持ち上げられ男と目が合う。
当たり前だがまたっく面識のない男だ。
なのに何故彼は、私を知っているような言い方を…
『金持ちそうな奴ともめていた女の子』…?
―――…
『もう!!お父様!当日になってまで往生際が悪い!!!』
『あのねぇ、ティナ。』
―――――……
あ、…えっ?えぇえっ?!!
「まさか、最初から目をつけられてた…?」
「えっ?いやいや、今日の予定がここじゃなかったら君を誘拐して親を揺するのもありかなぁって見かけたときに考えただけ」
まぁ、まさか。君の方から転がってきてくれるなんてね?
なんて幸運なんだろうか?
「金運絶好調!ってね!朝の占いも馬鹿に出来ないね~」
これは君を人質にもうひと働きしなきゃね♪
「っ!!?」
満足そうに高笑いをするその男は手下である男たちに私の手を縛らせ隣に立たせた。
(最悪…っ、あんまり時間がなかったのにこのままじゃ受験どころじゃないし、命まで危ない…、)
せっかくお父様を無理矢理説得したのに、
不運にもほどがあるっ!
「暗い顔してるね♪僕女の子のそう言う顔好きだな♪」
「っ、触らないでよ…!」
その威勢もいつまで持つかな?
ぱん!!!と再び響いた銃声にざわついた空気は静まり返り、一味が一歩踏み出すと人は自分に危害を加えられないようにと道を開けた。
「薄情なもんだよね~。人間なんて。結局は自分が一番かわいいんだよ。」
人質になっている幼い君なんかよりね
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