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「あのぅ…先輩。今の子『トリニティー学園』とか言っちゃってましたよね?」
不安そうに言葉を発したのは持ち場の後輩だった。
だが後輩が不安に感じるのも仕方がない。
トリニティーって言ったら…
「確か、入試前に素質審査みたいなのがあって、それに受かったら受験できるんだろ?」
「その試験を通過しても学力がまた超一流なんで…他にも色々試験を受けなきゃならないらしいですし」
頭がいいだけじゃダメみたいですよ?
「ふーん…………途方もない学校を進路に選んだな…あいつ。」
最高機関と謳うだけあって実績は確かだが、正直あの学園には色んな話があるからな…。
見知り程度の関係だが試験を受けると駆けて行ったココットを心配するアースであった。
――――……
ずーと真っ直ぐ進んでいくと道には車、空には飛行艇の姿を確認できる場所に出た。
(平日なのに結構混んでるな…)
車道には自動車だけではなく、魔法式の【エアシリーズ】の乗り物で道を行きかう人もいた
魔法式とは魔力を原動力に科学と組み合わせた製品を世に送り出している大企業の名前で、
その会社の目玉は風の魔力を利用した乗り物で多くの種類があるため総称して【エアシリーズ】と呼ばれている。
(それにしても…信号なかなか変わらないな…。)
横断歩道の前には自分のほかに大勢の人がいる。
せっかちな人間が多いのかぐいぐいと背を押されココットは車道ぎりぎりに立たされていた。
(うぉおっと?!!今ギリギリだったぞ…!!!!!)
歩行者が目に入っていないのか物凄い勢いで飛行車は走りぬけていった。
(やっぱり都会は物騒だな…、)
田舎生まれの田舎育ちのココットには人が多いだけでも戸惑うと言うのに、
少し気を抜いただけで事故に遭うなど冗談じゃない。
少し緊張しつつ、信号の変わった歩道を横断し、目的地に急いだ。
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