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薄暗い室内……。
けして広くはないその室内を、閉め切られたブラインドの隙間から差し込む光がボンヤリと照らしている。
その柔らかい光の中に、三つの影が揺れる。
一つの影が重々しく口を開いた。
???「なるほど……ご主人の素行がおかしい、と。」
ボサボサの髪、まばらに生えた無精髭。
どことなくニヒルな雰囲気でタバコを燻(くゆ)らせる口元。
そして、少し年季の入ったヨレヨレのスーツ。
その全てが、書物で語られる名探偵なる人物を彷彿とさせた。
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