パクラン旅立ち!

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北西暦、2112年。 地球は変わらずに 潤っている。 人々は宴をかなで、 人と人とが助け合い、 国は平和を保っていた。 ここはレール村。レール族が90%をしめるこの村は、代々羊で稼いでいる。 羊飼いのメーグンもレール族の一員。小さい頃から羊の世話をしていて、ずっと羊飼いの仕事をするつもりだ。 「こっちだよこっち!ほら、寄り道するんじゃない!」 羊の扱いには慣れている。この村には学校がない。だからメーグンは独学で勉強をしている。育ち盛りの18歳だから、色んな知識を得たかったのだ。 「メーグン、メーグン!」 「なんだよパクラン!」 「これ見てみろよ!なんか難しそうな本だ。」 「まーた盗んできたのかよ!なんでそんなに悪い事ばっかり…いつか罰が当たるからな!」 「へへーん!バチが怖くて盗っ人ができるかってんだ!」 彼の名前はパクラン。メーグンの幼なじみで親友。彼の一族は代々盗賊らしい。幼き頃から一人で暮らしている。親はどこにいてもともとどこからきたのかもわからない。もの心つくくらいに親に捨てられたらしい。 「なぁメーグン。俺さ、旅に出ようと思うんだけど…」 「へぇ~。またなんで?」 「うん、この村には色々とお世話になった。色んな意味でね!だけどやっぱり、自分はどこの出身でどんな先祖がいるのかなんて知らない。知りたいんだ。」
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