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「今日で6日目が終わる。
日に日に、この地獄に立ち向かう気力が、そしてかつての記憶が、櫛の歯がこぼれていくように消えていく。
無駄な足掻きを止め、居心地のよい悪夢に流される誘惑が…敷島和人としてのこれまでを忘れ、中嶋奈津子という少女として生きるという選択が、目の前にのしかかってくる。
もう自分は、自分の親兄弟の名前すら、思い出せない。
それどころか、自分の名前すら忘れかけてしまった。
もしこのまま眠りにつき、朝を迎えてしまえば、今度こそ全てを忘れてしまうのではないだろうか―――」
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