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その後ろのベッドの上で、キョロキョロと驚いた様に土下座している男と、突然目の前に現れた私を交互に見やっている女が居た。
「いや…その!!出来心っつ~か、なんつ~か…。」
しょぼくれながら、ボソボソと弁解を繰り返している男に、
「ちょっと、明人!!!なんで謝ってるのよ!!
この人、だれなのよっ!!!!」
ヒステリックな女の甲高い声が部屋に響いた。
「うるせぇ!!!!お前いつまでここに居るんだよ!!!
早く出て行け!!!!」
シーツで裸体を隠しているギャルっぽい女に、明人が言うと、女は泣き出した。
泣き出した女の髪をひっぱりながら、明人が言う。
「泣いてないで早く、出てけって!!!」
そんな明人を叩きながら、女も応戦する。
ギャアギャア言い合ってる二人を目に留めた女が、一つおおきく息を吐いた。
突然のため息ともとれる漏れた息に、言い合っていた2人も、黙ってゴクリと喉を鳴らした。
『…知ってたし。』
そう思って、そっと塞いでいた大きな二重の目をゆっくり開けながら、黒髪の女が口を開いた。
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