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あれから4ヶ月。春が過ぎ、梅雨が明け、季節はもうすっかり夏だ。
朝日の光も少し暑さが増してきた早朝。千石市駅前のアパート、ハイツ聚楽の201号室。今日も今日とて朝から騒がしい。
「何故もっと早く起こさなかった!?」
「それはな三成、暗が巻尺より役に立たぬからよ」
「好き勝手言うな刑部! だいたい三成、お前さん中二なんだから自分で起きろ!」
「遅刻したら貴様のせいだぞ官兵衛!」
「何故じゃ!」
バタバタと官兵衛は作業着に、三成は夏季制服……ではなく体操服に着替え、速攻で朝食を平らげる。三成は陸上部の地区大会、官兵衛は仕事に行かねばならず、遅刻は許されない。最悪8時までにはでなければならないのに、時計は無情にも7時50分を指していた。
「三成、官兵衛、弁当を忘れてるぞ」
「あぁ、済まない刑部」
「いつも悪いな」
「ナニ、われは余り外に出ぬ故なァ。家事は任せよ」
現在、官兵衛が建築士、吉継が小説家として稼ぐことで生活は成り立っている。三成は転校後、友人に恵まれ毎日楽しく過ごしているようだ。昔の主や上司とも再開し、三成が空虚を感じることはなくなった。吉継も。官兵衛も。
「じゃ、行ってくる」
「行ってきます」
「あい分かった。気をつけて行って参れ」
もう彼等が、己の不幸を歎くことは、ない。
終
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