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「すーず」
「はい?」
「おいで」
言われた通りに近づくなり腕を引かれて抱き締められる。
「明日は学校だよね」
「はい」
「もう23時だ。寝かせてあげたいけど、困ったなあ。俺、まだ足らないんだよね」
まだまだ俺も若いよね。
クスクスと笑う男に、少女はぎゅう、と胸に顔を押し付けて「だい、じょうぶです」と呟いた。んん? と頭を撫でれば、少し頬を染めて、ぼそりと一言。
「大丈夫です。彗樹さんが満足するまで、わたし」
「うん、そのつもり」
肩を押され、少女の視界がぐるりと一転。
ベッドに沈む少女の顔の横に手を置いて覆い被さるように近付き、囁く。
「一応明日に支障をきたさない程度に善処は、するよ」
まあ、わからないけど。
その言葉と共に唇を塞がれ、そのまま激しい口付けをされた。
「さ、と……ふっ、んんっ」
「愛してるよ、鈴」
「わたしっ……も、」
「ありがと」
白い肌に散る赤い花は、彼の所有の証。
飄々としている彼だが、独占欲は半端なく、強い。それをわかっているから、見えない所には付けるなとは言わない。彼が全ての彼女にとって、何ら困ることがないからである。
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