[ 濁ル 。 時々 冷涙 ] 

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 先程 御水を一杯頂戴致しました  とてもとても 私の喉を通るものでは  ありませんでした 。  仕方無しに 喉を“ごくリ”  鳴らせば  私の眼 、 忽ち潤い 。  感情とは相反するその現象。  どうか夢であって …-、  だって貴方の御水  認めたくないほどに透明色。  でも私からの泪  認めざるを得ないほどに濁っております  しかし私の泪、止まることを知らず  追ってゆくと汚らわしさが薄れていくの    後、全てを無くした私  何も見えず 故 感情を持たず  内に在る紅い紅い心の臓を  規則正しく動かせて 口をつぐみ  貴方宛の文を 書きつらえる
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