三人の孤児

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「何だよ二人とも、俺がいる場所知ってたのか?」 彼女にキスされた頬を拭いながら、二人に質問を投げ掛けるレッドの表情はどこか嬉しそうだ。 「君の居そうな場所なんて、すぐにわかるよ。僕を誰だと思っているんだい?」 男は上目遣いに、ズレてもいない眼鏡を指で軽く持ち上げる仕草を見せた。 「あんた、単純だもん。家族が欲しいとか、子供たちがかわいいとかさ。そんな理由できっと、ここにいると思ったわ」 女は髪をかきあげ、サラサラと靡かせながらレッドを見下すように話した。 「んだよ!俺だって頭使って!」 「だまれ「だまりなさい」 二人の声が重なった。 「それより、爺さんはどこにいるんだ?三人が集まったのに一向に姿を見せないな」 二人を無視して、レッドが喋り続けた。 二人は呆れた表情を見せると、レッドの背後を指差した。 「そこ「そこよ」 また二人の声が重なる。 息ピッタリだ。 レッドは、言われた通りに自分の背後に目を向けた。 「なんじゃ、おもしろくない。もう見つかってしまったか」 高笑いを上げた小さな老人が、レッドの顔を見上げていた。 「何だよ爺さん!居るなら居るって言えよ!」 レッドが軽口を叩くと老人は、その表情を真剣な物に変えた。 老人の頭には黒のシルクハット。手には、金であしらえた、懐中時計。カチカチと開いたり閉じたりを繰り返している。 身を包む黒のマントは、老人を紳士だと見受けさせる。 「レッド、お前は落ち着きが足りんのじゃ。だから、二人に居場所をすぐに嗅ぎ付けられる」
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