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老人は皺だらけの顔をさらに笑顔にする事で皺を深くさせる。
「お前たちも、もう大人じゃ。わしは、お前たちにわしの仕事を手伝ってもらおうと思ってな。裏社会で有名な、怪盗ロワイヤルに参加してもらおうと思い立ったんじゃ」
老人は身軽に前方宙返りをすると、若い男への変装を終えていた。
「うげっ!」
レッドは老人のあまりの変わり様に、驚きの声を上げた。
「こういった変装技術もまた、怪盗にとっては重要なスキル。目的の品を手に入れる為には潜入も必要じゃからな」
「なぁ、ジェームズ?爺さんの変装すごいな」
レッドが呼ぶジェームズとは、どうやら先程の男の旧友の名のようだ。
「これくらい出来て当然さ。爺さんはあの大怪盗Gだぞ?僕はイタリアで怪盗として盗みを既に経験済みだ。君が相手にしている小物のような相手を選んでいないしね僕は。変装技術もある程度身につけている」
自慢気にする訳でもなく、当然だ、と落ち着いた表情のまま老人の変装にも驚きもしないジェームズは、話しの続きを老人に促した。
「ほっほっほっ、ジェームズは他の二人よりも一足早く怪盗として登録していたようじゃからな」
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