復讐の炎

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―――が、 江上の動きが、ピタリと止まった。 くの字に体を折り曲げながら――。 そして、力無く地面に崩れた。 「…………」 一瞬すぎる出来事に、何が起きたのか理解できない由香は、ポカンと口を開けてその場を見つめる。 しばらくその場を黙って見ていると、 「…ガハッ…ゲボッ」 口から血を吐き出しながら、ガクガクと震える腕で支えながら体を起こし始めた。 「……無理するな。死ぬぞ」 その姿を冷たい目で捉える和樹は、感情のない、ただの言葉を吐く。 その言葉に何も答えず、震える体を起こし、立ち上がった江上は、口から血を流しながら和樹を睨みつける。 そんな睨みにも動じずに見つめ返す和樹。 「…て、テメェも……異能者だった…のか…」 小さい、呟くような言葉を漏らす江上に、 「………さあな」 冷たく返す和樹。 和樹の目は、まだ右目だけが開いている。 「……その……"右目"か…」 江上の言葉に、由香はハッとして気付いた。 この街に来た理由は、江上に復讐するため。 しかし、もう一つ、小さな嘘臭い情報を聞いてやってきた。 ――ゴッド・アイを持つ異能力者がいる―― 「…東堂くんが…『神の目』【ゴッド・アイ】の持ち主だったんだ…」
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