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「超能力?馬鹿らしい。そんな物があるはずないだろう」
「いやでもさ!昨日テレビで見たんだよ!一枚だったカードを三枚にしたり、箱の中にある物を一瞬で自分の手にだしたり!あれは絶対超能力だって!」
「そんなものある訳ないだろ。あれはれっきとしたトリック。タネだって必ずある」
学校の昼休み。弁当を広げながら興奮気味で熱く話す友人の言葉を一蹴し、彼は窓の外に視線を向ける。
「おい和樹!!そんな夢のねーこと言うなよ!!」
「お前はさっさとその夢から戻ってこい。拓也」
和樹こと、東堂和樹は、友人の早瀬拓也に頬杖をつきながら、目を合わせずに言い放つ。
「和樹く~ん。そんな事言わないでよ~」
「キモ。どこかに行ってください」
「冷たっ!そしてヒドい!!泣きそうだよボク!」
そう言って下手くそな泣き真似をし始める拓也に、和樹は相変わらず視線を合わせずに、そのまま机に伏せた。
「なんだよ和樹ぃ。何かツッコんでくれよ、わざと下手な泣き真似したのによぉ」
「所詮お前の演技力などそんな物だ」
伏せたままの状態で言われた拓也は、肩をすくめてため息をついた。
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