成敗

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和樹はすぐさま左目を閉じ、右目で江上を捉える。 「おっとぉ…」 「あうっ!」 「!」 和樹のそれに気付いた江上は、由香を盾にするように前にかざした。 「テメェのワケのわからねえその右目の力、出せるもんなら出してみろよ」 「ッ………チッ」 和樹は小さく舌打ちをし、スッと左目を開ける。 「それでいい。これから何が起きてもその力を使うな。……さて、女」 「……」 「あのガキを殺せ」 「ッ!?」 江上の言葉に、由香は目を見開いた。 和樹は黙って、その現場を見つめる。 「あのガキを燃やして殺すんだ。その後にお前を殺して、俺様は逃げる。…完璧だと思わねえか?」 由香の耳元で、唇を歪めて笑う江上に対し、歯を噛み締めて怒りを露わにする。 「だが、嬢ちゃんが俺に炎を向けた場合は、即座に嬢ちゃんの首を食いちぎる」 「ッ…」 どうする事も出来ず、困惑した様子を見せる由香に、 「白木」 和樹が声をかけた。 「…やれ」 「!?」 和樹の言葉に耳を疑うが、和樹の表情は真剣なものだった。 「俺を燃やすだけでいいんだ。さぁ、"全力"でやれ」
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