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「ほう、いい度胸だ。死ぬ覚悟が出来たか?それとも何か企んでんのか?」
「……さあな。やってみればわかるんじゃないか?」
江上はニヤリと笑いながら和樹を睨む。
和樹も同じく、小さく笑みを浮かべながら江上を睨み返す。
「おもしれえ。なら、やってみるとしようか?女、火ぃつけろ」
「……い、いやよ」
由香は首を締め付けられたまま、拒否の言葉を吐く。
「オラッ、さっさとやれよ…!」
「ぐっ…あああ゙…!!」
首をさらに締め付けられ、苦痛に顔を歪める由香。
「白木、いいんだ。やれ」
「だ、ダメ…よ…東堂…くん…」
和樹の言葉にも否定する由香。苦しみに耐えながらも、必死に抵抗する。
「いいんだ。白木。俺なら大丈夫」
「で…でも……」
「俺を信じろ」
和樹の言葉が心に響き、由香の意志が揺れる。
「カッコいいね~少年!まあ、今から死ぬんだから意味ないが…ほら、嬢ちゃん。火ぃ出せ」
江上は締め付けていた腕の力を緩め、促す。
由香はしばらくピクリとも動かずにいたが、ポケットからゆっくりとライターを取り出した。
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