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「あっ、そうそう。超能力で思い出した事があるんだよ」
拓也の話を聞いて、和樹は少し頭を上げる。
「なんだ?」
「なんか最近この辺りで『"異能力"を持つ人を知りませんか?』とか尋ねてくる女がいるんだってさ」
拓也のその言葉に和樹はピクリと反応するが、何もなかったような態度をとり、そのまま聞き返す。
「異能力?超能力じゃなくてか?」
「そこなんだよ。俺も聞いた話なんだけどな?異能力じゃなくて超能力じゃないの?って聞いた奴がいるんだってよ。そしたら『超能力なんて子供だましのチンケな物じゃない。私が言ってるのは異能力だ』…だってさ」
「………ふーん、異能力ねぇ…。まぁ、超能力よりかはマシだな」
「お前、超能力は信じないで異能力は信じんのか?」
「まさか。頭がおかしいんだろ、ソイツは」
「じゃあマシってどゆいみ?」
「馬鹿なアナタに説明するのがめんどくさい」
「しっつれいですなキミは!!」
馬鹿にされた事に憤慨する拓也。だが、彼は本物の馬鹿で、学年でも一ニを争うほどの頭の悪さなのだ。
彼が来年、和樹と同じ学年にいられるかどうか、確率は低い。
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