3 真空

26/35
前へ
/91ページ
次へ
「ああ....勝てるかなぁ...」 『きっと勝てますよ、冬季なら。』 俺が嘆くとサリアからの通信が入る。 「その根拠は?」 『ここまでの技術となると、機械が人を選ぶんですよ?普通の人がスペースエクステンダーに乗ったってスイッチさえも入りません。例えバイクになれた方が乗って、スイッチが入ったとしても暴走起こして終わりでしょうから。』 「ちょっと待て!お前、まさかそんな危ないもんに俺をのせてんのか!?」 ついさっき話したはずだよな!?俺がペーパーだってこと! しかしそれでもサリアは微笑みを絶やさない。これはある意味才能なのかもなぁ。 『言ったでしょ?機械が人を選ぶって。冬季はそれを乗りこなしている。それも宇宙空間で。それはスペースエクステンダーに選ばれたってことです。今はそのバイクを信じて戦って下さい。ほら、敵は目の前ですよ!』 ...うぇ!?いつの間にこんなに近づいてんだ俺たちは!? 「グアアアアァァァアッッ!!」 マクロは、そのどでかい腕を振るってきた。ここは真空。風はないものの、まるで腕の風圧だけでもふきとばされそうな勢いである。
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加