青い鳥

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青い鳥の羽根のような結晶の光は濁った輝きしか放たず、彼が望む光にはほど遠かった。 だが、自分の目的に近づいているのだと思うと嬉しくもある。 「生きているヤツは夢、願い、思い……それと同時に負の感情ももっている。  たとえば欲望。それは時として純真なまでに強い思いが曲がり、光を放つ。誰しも少なからず欲望を持っている。  人間も、そして動物や植物、地球に生きるありとあらゆるモノたち。それが生きている証。  そして、俺はそれを叶えるモノ」 男は静かに手を満月に伸ばすようにし、小さく呟く。 「だから、いくら邪魔をしようと、俺たちは止まらない」 男のまわりに数本の羽根が出現した。 さっ、と手を振る。 屋上の扉に向けて。 「エージェントといえど、我が仕事――野望を阻止することは許さない」 男が言った瞬間。 飛来した羽根は屋上の扉を粉砕した。 「覗きとはいい趣味とは言えないな。エージェント」 「うっせぇ!  俺っちには男を覗く趣味はないぜ! この野郎!」 怒鳴る声が聞こえたかと思うと煙がたちこめる中から一人の青年が姿を現した。
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