ルララ ルラ ルララルラ…

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告った。 フラれた。 俺以外の人間にはただそれだけの事。 だが、俺には違う。 好きな女の子がいた。 どのくらい好きかと言うと、入学式で一目惚れ、その子がテニスサークルに入ったと知って俺もテニスサークルに入り、その子が気になる余り、その子を見ていてボールが頭直撃した事が十回くらい、その内直撃したのにすら気付かなかったのが五回というくらいだ。 そこ、何かヤバくね?とか言わない。 彼氏がいないと聞いて、想い続けて半年と2ヶ月、クリスマス直前の今日、思い切って告白した。 俺は言った。 「ずっと好きだったんだ!付き合ってくれ!」 返事はこうだ。 「他に好きな人がいるから」 玉砕。俺の恋は終わった。 しかもよりにもよってその好きな人というのが、頭脳明晰、容姿端麗、運動神経抜群、しかも医者の息子で金持ちというかなり完璧人間だったわけだ。テニスサークルの先輩で、もちろんテニス始めたばっかりの俺より数倍上手い。 ……勝ち目ねえよ、俺。 はぁ、俺なんかどうせ頭普通、顔普通、運動神経ちょっと悪い、ただのビンボー学生だよ。 情けなくて涙が出るよ。 つーかさっきからちっとも止まんねえよ。 悲しい、悔しい、心が痛い。 そんな時、携帯が鳴った。彼女が好きと聞いて即座にダウンロードした曲。 メールだった。誰か慰めのメールでも送ってくれたのか? 「件名:あなたの事が忘れられないんです」 は? 知らないアドレスからだった。 高鳴る鼓動。俺は急いでメールを開けた。 「もう一度会っては頂けないでしょうか?秘密を守って下さればそれなりのお礼ははずむつもりです。私は40代の人妻の身ではありますが――」 ……典型的な迷惑メールだった。 ……全人類に見捨てられたような気がしてきた。
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