初デートは突然に

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夏を目前に控えた穏やかな、それでもやや暑い日射しが辺りを照らす。 ボクはと言えば…… そう言えば、先輩が告白してくれて、もうすぐ3ヶ月になるんだな、と思いながら、頬杖を付いていた。 教室の窓からは雲一つない、鮮やかな青の空が見える。 何となく、前のことを思い出したりして、思わず顔が緩んだ。 先輩の告白から、 何事もなく、1、2ヶ月は過ぎた。 確かに、ほとんど取り柄もなければ、先輩に釣り合うような人間とは程遠い、平々凡々なボクに、先輩が告白したとはたちまち噂となったけど…… 何だかんだで公認された。 その理由は知らないけれど、 何か、色々と言われてたなぁ…… 「この場合、小説になるよねー」 とか、 「何かあの2人って、 “逆転恋愛”って感じだよねー」 とか、 「速水先輩が男で、  朝比奈君は女って感じだよね」 とか。 よくわかんないけど、とにかく一部の男女には黄色い声で囁かれてた。 まぁ、認められたのはスゴい嬉しい。 だって、 先輩のこと、本当に…… ここから先は恥ずかしくて言えない……けど。
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