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「その……、朝比奈。
随分と可愛いらしいんだが……
そろそろ、一人百面相は
止めてはもらえないか?」
不意に聞こえたその声に、我に変えれば先輩が目と鼻の先にいて。
少しでも動けば、触れてしまいそうな距離で。
「あ、いや、そのっ」
バクバク言ってる心臓をよそに、慌てて繕うも言葉は出て来ずに。
何をどう、動揺したのか……
バタバタと手足を無駄に動かせば、バランスを崩したのか、後方へと倒れる身体。
同時にふわっとした浮遊感がボクを襲って―――
「――ほわわっ!?」
「朝比奈っ!!」
声が聞こえたのと、柔らかな人肌がボクに触れたのはほぼ同時。
「……ぅ、わ……?」
気付けば先輩は、
窓から倒れそうなったボクを、
その……
だ、だだだだだ抱きしめていた。
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