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「はいはい、もぉ~……
私の前でイチャつかないの!」
そう言うと、弥生先輩?はボクらの前までスタスタと歩いて来た。
先輩が歩く度に、ゆるくパーマのかかったような肩までの薄茶色のショートがふわふわ揺れていて何とも可愛らしい。
先輩は目の前まで来るとボクの右手を軽く握って話しだした。
「初めまして、朝比奈くん?
私(アタシ)、一樹の幼馴染み兼
親友をやらして貰ってます、
片桐 弥生(カタギリヤヨイ)です。
気軽に弥生先輩って呼んでね?
じゃあ、以後お見知り置きを
……なんて、ね?」
そう言えばさっと握っていた手を離し、口元に持って言ってクスクス笑った。
何気にこんな急な展開に慣れて来たのか、すっかりボクの脳は弥生先輩をしっかりと観察していた。
切れ長に広がった綺麗なアーモンドアイに外人さんみたいに綺麗な顔立ち。
身長も一樹先輩と負けない位高くて、スラリと長く伸びた手足は女性なら誰もが憧れる、といった感じ。
髪を束ねるのが面倒なのか、
それともお洒落か、白に黒の細いラインが入ったカチューシャを身に付けていて、それがまたよく似合う。
おしとやか、に見える外見とは打って変わって、ハキハキとした口調からは頼りになるお姉さんをイメージしてしまう。
そんな風にじろじろと眺めながら考え込んでいれば、「また百面相して……」と飽きれたような声が頭上から聞こえた。
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