初デートは突然に

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「よ、よろしくお願いします……」 軽い人見知りがあるボク。 震えかけた声を誤魔化すように、ペコりと頭を下げた。 「堅っ苦しくなくて、いーよ!  ほらほら、気楽に、さ?  試しに弥生先輩って言ってみ?  気が楽になるから~」 弥生先輩に悪気はないんだろうけど、ボクにはそんな無茶はできませんっ!! どうすれば良いかわからず、 縋るような気持ちで先輩を見れば、 (か・ん・ば・れ) と、口パクで言われてしまい、どうしようもなくなってしまった。 「あぅ……  ゃ、弥生、先、輩……?」 戸惑いつつ、首を傾げて確認するようにそう呼べば 「きゃーっ!かーわーいーっ」 「うぐっ!」 弥生先輩は猛烈な勢いでぎゅうぎゅう抱き付いて来て、呻き声が漏れた。
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