初デートは突然に

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「弥生、朝比奈から離れろ!  ったく、相変わらずお前は!」 はぁ……と短くため息を吐いた後、面倒臭そうに先輩はだらりと腕を組んでそう言った。 普通ならだらしないそんな仕草も爽やかに見えるのはその滲み出る格好良さ、威厳ゆえかな? なんて思うと、本当にボクの恋人で良いのか……なんて思ってしまって、少しだけシュンとなった。 「えー?だってさ……」 そう言えば弥生先輩は、すぅっと一呼吸置いて…… 「このクリクリした目に、  無茶苦茶、なっがいまつ毛!  何これ、バッサバサじゃない!  私より長いわよ、絶対に!  それにこの白い肌とか……  もう何なの、反則でしょ?  顔のパーツも可愛いらしくて、  顔なんかもう、モデルさん  みたいに小さいし……  ぷっくらした唇とかこんなの  男の子とは思えない!!  身長はまだまだ低いけど、  これはこれでアリだし……  メイクなんかしたら更に  化けるわよ、この子!!  噂には聞いてたけど……  彼女……いや彼、本当最高!!  そりゃあ、  “嫁にしたい後輩ランキング”  で、一位をとる訳ね……」 あまりのマシンガントークに着いて行けなかったんだけど…… ボク、何か誉められた、のかな? 「わかったから、落ち着け」 困惑するボクの隣で宥めるように言いながら、ボクから弥生先輩を引き離した。
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