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「奥手な一樹のことだもん。
どーせ、まだデートも、
ろくろくしてないんでしょ?」
その言葉に焦ったように先輩は首を振った。
「ち、違うからな、弥生!!
それはその……私だけじゃなく
朝比奈にだって、色々と、
色々と予定があってだな……」
ゴニョゴニョと何かを言い訳じみたことを言う先輩。
普段、中々お目にかかることのない姿だから、本当に可愛く思えた。
「問答無用!!
さてさて、朝比奈くん?」
対して、バッサリと切り付ける弥生先輩。
容赦ないなぁ……
……ってボク!?
「……へ?」
素っ頓狂な声を上げたボクの手を、弥生先輩は再び握って上を向かせるとそのチケットらしき物をボクの手のひらに置いた。
「だからこれ、
朝比奈くんにあげるから!」
それだけ言えば、にこやかに笑う弥生先輩を見て、ボクは固まる。
えーと……
どうすれば良いんだろう……?
?マークを飛ばし過ぎて、
段々と訳が分からなくなって来た。
「あの、えと……?」
首を傾げれば、「今週末有効の予約チケットだからー!」と、弥生先輩の補足が続く。
いや、そうじゃなくて……
これ、どうすりゃいいのさっ!?
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