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「朝比奈のそういう所が好きだ」
さらりと言ってのける先輩に、かぁぁあっと顔の中心に熱が集まるのが自分でもわかった。
す、好き、……好きって、いや、まさか、いや、そんな……
「すまない、そうじゃない。
きちんと“告白”しなければ
失礼と言うものだな。では……」
―――どくん。
胸が跳ねる、心が踊る。
ゴクリと、空気を空飲みすれば、気持ちは自然と高ぶった。
“告白”
それも憧れの先輩から。
いざとなって、これは夢じゃないかと思ったけれど、軽く指をつねって、痛さを確認すれば、現実なのだと、顔がにやけた。
……自分ながら気持ち悪い。
目をギュッと瞑って覚悟を決めれば、先輩の唇が声を紡ぐ。
・・
「朝比奈くん、君が好きだ。
私と付き合ってくれないか?」
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