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ラスは現状の報告の為に、帽子屋屋敷に戻ることにした。
暗殺に失敗るなど、汚点としか言えない。
「---付いて来なくて良いんだぞ?ナイトメア、グレイ。」
「君が帽子屋屋敷に辿り着くのを見届けたら帰るよ。」
「俺はナイトメア様が逃げ出さないように見張ってるだけだ。」
「逃げないように見張る!?グレイ!!尊敬する上司に対してなんだ!その態度は!?」
「貴方は見張っていないと直ぐに逃げ出すじゃないですか!---この会合前の忙しい時期に逃がしてたまるもんですか!」
「にっ逃げてなんかいない!!息抜き…そうだ!息抜きだ!!」
「そんなもの、クローバーの塔でして下さい。」
二人の話しを傍観していたラスは、気になる単語を口にした。
「会合…クローバーの塔で行うのか?」
「ああ。そうだよ、ラス。主催者は催し物を開かなくてはならないルールだからな。」
「ハートの城の舞踏会みたいなものか?」
「そうだよ。役持ちは参加しなくてはならないルールだ。」
「---あの面子が揃って何か決まるのか?」
「別に何かを決めることが目的じゃない。集まることが重要なんだ。」
「???」
「たまに決まることもあるんだ。---前に会合中は揉め事を起こさない、と言う決まりが出来ましたよ。」
「!凄いじゃないか、ナイトメア。」
「いや…私が纏める前の話しだ。」
ラスは納得したようにため息を吐き出した。
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