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次に何を聞こうか考えている間に太陽さんが戻って来て司さんにジントニックを出した。世里さんには茶封筒を渡した。
『仕事が早くて助かります』
世里さんは受け取った茶封筒から書類を出した。
書類を見ると文通相手の男性の学歴やら家族構成や恋愛経歴、好きなタイプや好きな服装等の詳細が書いてある。
『短時間にこんなに調べられるんだ…すごい』
少し背筋が凍るような、鳥肌が立った。
『こんなの朝飯前で調べられるわ』太陽さんは誇らしげな顔をしている。
司さんが世里さんから書類を取り上げ内容を読み始めた。
『なるほど…世里、明日依頼人にアポ取っとけ。俺はアイツの所行ってくる』
ジントニックを一気に飲み干して店を出ていった。
『忙しない子ねぇ…』太陽さんは溜め息を吐きながら笑っている。
『司さんって…変わってますよね』
正直性別も解らないし…年齢も不明だし。
『司はね…年は南さんとそんなに変わらないのよ?』
僕は驚いて飲み掛けたオレンジジュースを吹き出しそうになった。
『仮面は確か…20歳よね?もうすぐ21か?』
太陽さんもさらっと言った。正直見えない…25、6歳位かと思ってた。
『因に私は23よ』世里さんが言った。
20代であのでかい家にガレージにあった数段の車…一体この人達は何者なんだろう。
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