BLEACH-覇道の夢-

10/42

39人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
「他人を駒としか思わないお前が、よくもまあ――」 「駒は駒でも、有益な駒です。私と同じく」  真っ正面から言い放ち、視線を逸らさずに睨み合う。  そして、その威圧感に耐えかねて、再び男が口を開こうとした――瞬間 「きゃあああっ!」 「「「…っ!?」」」  絹を引き裂く様な、甲高い断末魔が響き渡った。  弾かれた様に振り返ると、そこには抜刀すら出来ずに痩躯を折り曲げた上級生の姿があった。 「…に、げて…」  体から鈍色の爪を生やした彼女は、血糸を吐き、涙を流しながら絶命した。 「大路~~っ!」  目の前で学友の命が奪われたのを期に、不二神といがみ合っていた男が叫ぶ。 「くそっ!一体何だ!?」  錯乱状態に陥る一歩手前で何とか踏み留まり、状況を確認する。  ざっと視線を巡らせるが、先程の爪の持ち主の姿は見つからない。 「霊圧が消えている…っ!虚か!くそっ、何処に隠れた…っ!?」  場に残された霊圧を探りながら、慎重に次に現れそうな場所を模索する。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加