BLEACH-覇道の夢-

12/42

39人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
「何をしている!早く行け!」  驚いた崎田は不二神を怒鳴り付ける。だが、少女はただ笑みを刻むに留め、こちらへと駆け寄る男に言った。 「隙を見せるな     ――来るぞ」 「なっ!?」  少女の楽しげな台詞と時を同じくして、走る崎田の丁度真横に、暗い歪みが出現した。  ジャシャァァッ  爬虫類の威嚇にも似た音が鼓膜に届く。 「くっ!!」  咄嗟に身を捻るが、それよりも早く長い爪が唸った。 「崎田ぁーっ!」  仲間の危機を知らせる声に死を覚悟して目を閉じるが――衝撃はいつまで経っても襲ってきはしなかった。  代わりに響いたのは鋼同士が擦れる様な、甲高い音。  キィイインッ 「…っ!お前…」  恐る恐る目を開け、彼は目を見開く。  そこには己の浅打一本で、虚の爪を支える下級生の姿があった。 「大丈夫ですか?」  顔色一つ変えず、虚の爪を防いだまま藍染は問い掛ける。  茫然とする崎田は、黙って頷く事しかできない。そこへ厳しい声が飛んだ。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加