BLEACH-覇道の夢-

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「私と藍染だけで十分だと言っている。邪魔をするな。  藍染、練式を試したい。詠唱時間を稼いでくれ」 「一人であれと戦えって言うのかい?」 「君なら余裕だろう?」 「不二神…」 「信頼しているぞ、友よ」 「やれやれ…分かった。任されよう」  にっこりと笑う少女に藍染は密かに溜め息を漏らす。だが、直ぐに気を取り直すと、目の前の虚に向かって、躊躇いもなく斬りかかった。 「「藍染よせっ!」」  上級生二人は青くなって叫ぶが、藍染は危ぶむ様子もなく虚の爪を掻い潜り、伸びてきた腕の腱を、刃の一振りで断ち切った。  ジャアァアアッ  虚の絶叫が谺する。腱を断たれた腕がだらりと下がり、傷口から大量の血液が噴き出す。  弱粘性の飛沫が袖を濡らすよりも先に、藍染はその全てをすり抜ける様に、二撃、三撃と斬撃を浴びせた。  その手並みは実に鮮やかで、このまま行けば直ぐにでも決着は着きそうなものだったが、藍染は敢えて致命傷を与えるのを避けている様だった。
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