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「あ、ああ…そうだな…」
くるりと踵を返し、クラスメイトたちが逃げた方向へと歩を進める。その後を滑る様な足取りで藍染が追った。
二人の後ろ姿を見詰めながら、清瀬が徐に口を開いた。
「一回生であの実力か、末恐ろしい奴等だ。不二神に藍染――あの二人は席官になるかもな」
「…ああ」
静かに頷く崎田に清瀬は首を傾げた。
「どうした?」
「いや、もしアイツらが敵に回ったりでもしたら――大変な事になるだろう、と思ってな」
「考えすぎだろう」
「…そう、だな」
崎田の心配を他所に清瀬は笑う。
そんな友人の様子を横目に彼はただ思案した。
胸の奥がざわつく様な感覚。この感覚には覚えがある――不安だ。
「………」
歩く二人の背中を目で追いながら崎田はただ漠然とした不安を抱えていた。
――後に、この不安は的中する事になる。
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